用語集
カスタマーサクセス

カスタマーサクセスとは、カスタマーサポートのような「顧客からの問い合わせに対して顧客の抱える課題や疑問を解消する」のではなく、能動的に顧客の満足度を向上させるという考え方、またはそのような立場の職種を言います。顧客が潜在的に抱いている課題や疑問の解消に必要な情報、またはより良いサービスの活用法などを自発的に提供します。
近年「カスタマーサクセス」という言葉をマーケティングなどの分野でよく耳にするようになりました。「カスタマーサポート」と比較されることがあります。
ここでは、カスタマーサクセスというのがどのようなものなのか、カスタマーサービスとの違いを交えながら紹介します。
カスタマーサクセスは能動的
カスタマーサクセスとカスタマーサポートはどちらも顧客対応を行うという点では同じです。しかし、カスタマーサポートが顧客からの問い合わせがあってから行動する「受け身」であるのに対し、カスタマーサクセスは顧客に対しプロアクティブに行動する「能動的」という点で異なります。
カスタマーサポートは自社の製品やサービスを使う顧客の疑問、クレーム等の問い合わせ対応に必要な部署です。人的リソースがかかり、担当者のメンタルケアが求められ、ネガティブな印象があります。
一方、カスタマーサクセスは「顧客を成功に導く」と訳すことができるように、能動的に顧客が望むものを提供することで顧客を成功体験に導きます。そのためカスタマーサクセスはプロフィットセンター(企業にとって利益を生むもの)と呼ばれることがあります。
カスタマーサクセスはサブスクリプションの台頭から生まれた
カスタマーサクセスという考え方が普及した背景には、近年主流になりつつあるサブスクリプション(サービスを利用する間だけ金額を払う)によるビジネスモデルの台頭です。
従来のビジネスモデルのメインストリームは買い切り型でした。つまり顧客が一回お金を払って商品やサービスを購入し、それを利用するというものです。このビジネスモデルでは、一度購入されたら、その時点で企業の利益になります。購入された後は、購入者が疑問を抱いたり、製品にトラブルが生じたりした際だけ、そのトラブルシューティングに対応することになります。
しかし、2000年初頭から、顧客が定期的に料金を支払い続け商品やサービスを利用するというサブスクリプション型のビジネスモデルが主流になりました。このようなサブスクリプション型では、企業はより良い商品やサービスを顧客に対して提供し続けなくてはいけません。サービスが役に立たないものだと思われては定期的にお金を払ってまでサービスを利用し続けてもらえなくなるからです。常に顧客に対し能動的にアクションを起こし、新しい機能やサービス、より手軽な利用方法などを提案することで、利益が生じ続けるように働きかけるカスタマーサクセスが必要になるのです。
カスタマーサクセスという考え方は営業や開発など、企業に属するスタッフ全員が意識することが重要です。顧客の満足度を向上させ、企業にとっての利益を大きくする両者にとってのメリットを高めることがカスタマーサクセスの意義と言えるでしょう。