コラム2018.04.25
国内で人気上昇中の「スマホVRアプリ」。新しい体験の提供がヒットを生む

近年スマホアプリの中には、新しいテクノロジーを取り込むことで、今までになかった新しい体験を生み出し、大成功するものが登場しています。
その筆頭が2016年にリリースされた「Pokemon Go」です。AR(Augmented Reality)テクノロジーを活用し、実在する風景にバーチャルであるポケモンのキャラクターを重ねて表示することで、目の前にある世界を「仮想的に拡張」させます。やりこみ要素の高さも合わせて世界的に大ヒットしています。
さらに新たなテクノロジーとして注目されているのがVR(Virtual Reality)です。市場ではすでに続々とスマホVRアプリが投入されています。そこで今回は、VRアプリにフォーカスし、その現状についてレポートします。
国内VRアプリはゲームが大半。美少女系RPG、ホラーゲームが人気。海外VRアプリはシミュレーション
まずVR(Virtual Reality)がどのようなものか簡単に解説します。VRとはコンピューターによって作られた仮想的な世界を、360度のスクリーン上に表示し、あたかも現実世界のように体感できる技術です。VRには、スマホアプリの場合でも、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)と呼ばれるゴーグル型のデバイスを頭部に装着する必要があります。最近では1,000円代からVRゴーグルを購入できるようになり、普及を後押ししそうです。
現在アプリストアで提供されているVRアプリは、完全にVR版のものと、部分的にVRモードが搭載されているものがあります。 完全なVRアプリはまだ海外製のものが中心で、VRの仮想現実メリットを生かしたシミュレーションゲームや動画系アプリが多くなっています。一方で日本のアプリでは、美少女系のRPGやホラーを仮想体験できるゲームが人気を得ています。
国内VRアプリ、累計トップは韓国の「アビスリウム - タップで育つ水族館」。日本のVRアプリのトップは「オルタナティブガールズ」
国内Apple App Storeで、VRモードを搭載しているアプリを含めたVRアプリ累計ダウンロード数のトップは、2016年7月にリリースされた韓国の「アビスリウム – タップで育つ水族館」。自分で水族館を作るゲームで、VRモードを使用すれば、360度美麗なグラフィックで彩られた自作の水族館を疑似体験できることで人気を得ています。VRの仮想現実メリットを「癒し系」に持ち込んだ成功例といえます。
第2位は、サイバーエージェントがリリースした「オルタナティブガールズ」です。日本的な美少女RPGゲームにVRを活用し、通常のゲームにはない、新しい仮想現実でのゲーム体験を提供しています。
その他トップ10に入っているVRアプリの特徴は、5アプリが海外製という点です。これらのアプリは完全にVR版で、現状では海外が進んでいることを物語っています。VRの特性を生かしたリアルなシミュレーション系のゲームが多く、エキサイティングなジェットコースターを疑似体験できる「VR Roller Coaster」、ジュラシックワールドを再現した「Jurassic Virtual Reality (VR)」、世界の各地で大ジャンプの爽快感を疑似体験できる「VR Jump Tour」等がランクインしています。 またホラー系のVRアプリにも人気があり、ホラーゲームをVR化して、さらに恐怖感を助長させることによって新しいゲーム体験を提供しています。
国内Apple App Store VRアプリ
累計ダウンロード数トップ10

PRIORI DATAとは
「PRIORI DATA」は、2013年設立、ドイツ、ベルリンに本社を持つ、スマートフォンアプリ市場分析データ会社です。Apple App Store、Google Play上でランキングされている全アプリの推定ダウンロード数、売上金額データを提供しています。提供データ可能国数は57カ国で、ゲーム・サブカテゴリを含む全カテゴリのデータを提供可能です。スタートアップのアプリ開発会社でも購入できる価格帯で、無料トライアルも可能です。国内ではCESA監修「CESAゲーム白書2017」、モバイルコンテンツフォーラム監修「スマホ白書」、「ファミ通モバイルゲーム白書」の公式モバイルデータとして採用されています。また昨年6月からはASO(アプリストア最適化)のデータも追加され、さらに本年から日本を含めた55ヵ国でアクティブ率(DAU・MAU)、デモグラフィックデータ等が追加される予定です。 詳しくは、http://www.prioridata.net/をご覧ください。