フィリピンのライドシェアサービスの可能性。社会背景から考える

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フィリピンのライドシェアサービスの可能性。社会背景から考える

フィリピンでは2018年に輸送ネットワーク車両サービス(TNVS)の新規登録凍結が解除されました。各ライドシェアサービス(ライドシェアリングサービス)の参入が注目されています。本記事では、フィリピンの交通事情、社会的背景を確認しつつ、同国におけるライドシェアサービス参入の可能性を探ります。

ライドシェアとは

ライドシェアとは、自動車の所有者と移動を希望する個人をマッチングさせるプラットフォームです。所有者は移動希望者を目的地に届けることで対価を得ます。シェアリングエコノミー(個人が所有する資産の賃貸・売買の仲介サービスと、それらを構成する産業)の一つです。

フィリピンにライドシェアサービスが求められる背景。社会問題化する交通渋滞

人口の急増

同国の人口は爆発的に増加しています。フィリピン統計局(PSA)の2017年12月の報告では、2015年の総人口は1億90万人でしたが、2040年までに1億3,750万人に達すると予測しています。

移動手段の多様化と交通量の増加

人口の急増によって、フィリピンでは交通量が社会問題となっています。
フィリピンで多く利用されている公共交通機関は次の2つが挙げられます。一つはLight Rail(ライトレール)。一般にLRTとして知られ、平均911万人の乗客を輸送します。もう1つはMetrorail(メトロレール / MRT)で約1,267万人の乗客に対応しています。

フィリピン陸上輸送局(LTO)の2016年の年次報告書によると、一般道路と高速道路はすでに登録車920万台、運転免許保有者580万人が利用しています。道路は一日中混雑しており、特にビジネス地区に通じる通りは激しい渋滞となっています。そこで政府は自動車保有者に対して、自動車ナンバーごとに走行可能な曜日を指定するなどして、渋滞緩和策を講じてきましたが、大きな効果が出ているとは言えません。

自動車の他にもフィリピンの人々は、バスや電車、フィリピンの象徴的な乗り物ジープニーなど、さまざまな交通手段を使って移動していますが、フィリピン紙・Business Mirrorは「フィリピンの人たちは2万8千時間もの経済時間を移動に費やしている」と述べています。

人口の増加、移動手段の多様化、人口密度の上昇に伴い、交通事故が増加し続けているのが現実です。

社会問題を解決させるためのライドシェアサービス

公共車両は非常に利用しやすい価格ですが、多少コストが掛かっても、通勤者の多くは安全な移動手段を求めています。

フィリピン国内の輸送ネットワーク企業(TNC ※ライドシェアサービス事業者と同義)は、道路渋滞の緩和や通勤者の移動コストの削減、安全性の確保のため、自動車の相乗り、ドライバー適性検査の推進等をしています。
政府がライドシェアサービスを奨励し普及が進めば、フィリピンが抱える交通における社会問題は解決につながる可能性があると想像できます。
さらにライドシェアサービスには、大きな収益が見込めます。オンライン調査企業・StatistaはTNCの2018年の収益を6,400万米ドルと予測しており、これは2022年まで飛躍的に伸び続けるとしています。

スマートフォンの普及が後押し

TNCへはスマートフォンアプリを介してアクセスします。フィリピンでは携帯電話サービス加入者が2012年から2014年にかけて3年間で、平均13.79%増加し、2014年には1億3,031万9,459人に達しました(※)。今後さらに加入者数とサービスのアクセシビリティが成長していくことに疑いの余地はありません(※引用元:Philippines in Figures 2017)。

フィリピン市場に進出する際にハードルとなるものとは?

フィリピンでのライドシェアサービスの展開は魅力的な面もある一方で、インフレ率と自動車車両の増加などの課題もあります。フィリピン統計局(PSA)は燃料を含む2017年のすべての品目で3.2%の平均インフレ率を示しており、2016年の1.8%に対して明らかに高い数値となっています。

また、交通渋滞の一つの要因となる道路の整備状況、自動車メンテナンスサービスの混雑なども、参入のハードルになるといえるかもしれません。

しかしながらフィリピンが抱える課題解決に向けた法整備は着実に進んでいます。新規参入者には適性試験、運営免許の保有、各種手続きが義務付けられました。
2015年、運輸省(DOTr)は運転者への交通機関登録証明書(CPC)発行の条件を定めました。また、一部の運転手はTNCによって認可され、LTFRB(Land Transportation Franchising and Regulatory Board / 陸上交通許認可規制委員会 )に登録されています。
さらにフィリピンでの事業を計画している企業は、内国歳入局(BIR)に税務関連の手続きを登録する必要があります。

カスタマーサポートにはフィリピン独特の対応が必要

TNCサービス利用者が困惑した際のサポートを目的として、個々の企業は顧客サポートチームを設置する必要があります。フィリピン企業の顧客サポート部門設置に関する既存の法律は存在しませんが、顧客よりも製品を大切にして良い、ということではありません。
フィリピンの公用語は英語とフィリピン語(タガログ語)ですが、サポート窓口ではタガログ語の「ポ」と「オポ」がよく使われます。これは通常、目上の人と話すときに使う相手を敬う言葉で、サポートの現場でよく使われることから、顧客を大切にするフィリピン独自の文化が伺われます。

PSAの2016年7月の業界プロファイルレポートでは、6人のうちおよそ5人がコールセンターで勤務したことがあると述べています。

この数字が示す通り、一般的なビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の代理店は市民大衆にとって馴染みがあり、「問い合わせをフィードバックとして受け入れる」ことは当然のこととして社会に根付いています。

結論

フィリピンはライドシェアサービスに投資をするのに最適な国と考えられます。潜在的な顧客数は増加しており、競合は少なく(Uberが2018年3月に撤退を表明し、Grabがサービスを継承)、法的な後押しもあり、予測される収益は良好です。

もちろんフィリピンにリスクが全くないわけではありません。整備されていない道路に戸惑うかもしれません。政府の方針が急に変化することもあるでしょう。
しかしながら総合的に人口は増加傾向にあり、経済は安定し、今後成長することは間違いない国です。早いタイミングで新規参入するメリットは多いと想像できます。

フィリピン進出時のカスタマーサポートは

アディッシュでは、フィリピンにBPO拠点を置き、成長の著しい東南アジアにおける、カスタマーサポートを代行しています。英語にとどまらず多言語によるサポート、もちろんタガログ語も可能です。
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