日本発「女性向け恋愛ゲーム」がアメリカで人気の理由に迫る

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日本発「女性向け恋愛ゲーム」がアメリカで人気の理由に迫る

2017年のアメリカのアプリマーケットでバンダイナムコ、任天堂、スクウェア・エニックス、コナミ等の日本の大手パブリッシャーが存在感を出す一方、日本初の「女性向け恋愛ゲーム」が注目されています。

今回のレポートでは、この「女性向け恋愛ゲーム」をリリースしている日本のゲームパブリッシャーであるNTTソルマーレ、ボルテージ、サイバードに着目。どのように競争が激しいアメリカのアプリマーケットで躍進しているかを紹介します。

日本のゲームパブリッシャーの中で売上ランキング6位はNTTソルマーレ(2017年アメリカGoogle Play)

日本のゲームパブリッシャーに限定すると2017年のアメリカGoogle Playでの売上ランキングのトップはバンダイナムコ。以下、任天堂、スクウェア・エニックス、コナミが続きます。 今回着目した女性向け恋愛ゲームを提供するNTTソルマーレは第6位。ボルテージは12位、サイバードは19位にランクインしています。 では3社がアメリカで売上を伸ばす要因を検証してみましょう。

2017年米国Google Play
日本ゲームパブリッシャー売上ランキング(2017年アメリカGoogle Play)

Square Enix Inc.は株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングスの米国法人
    (出典:PRIORI DATA, Google Play, FY2017, US/データ提供:(株)インターアローズ)
Square Enix Inc.は株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングスの米国法人
(出典:PRIORI DATA, Google Play, FY2017, US/データ提供:(株)インターアローズ)

長期間ファンを維持し、ゲーム数で売上を増加させる戦略

NTTソルマーレ、ボルテージ、サイバードのアメリカGoogle Playでのトップ5アプリをピックアップしたものが下記のチャートになります。 ゲームはすべて、アジア系の“イケメンキャラクター“を中心とした女性向け「恋愛シミュレーション/アドベンチャーゲーム」です。 これらのアプリは、米国のアジア系の女性や、日本のコンテンツの愛好家を中心に固定ファンを獲得していると推定できます。

NTTソルマーレ売上トップ5アプリ(2017年アメリカGoogle Play)

ボルテージ売上トップ5アプリ(2017年アメリカGoogle Play)

サイバード売上トップ5アプリ(2017年アメリカGoogle Play)

(出典:PRIORI DATA, Google Play, FY2017, US/データ提供:(株)インターアローズ)
(出典:PRIORI DATA, Google Play, FY2017, US/データ提供:(株)インターアローズ)

売上増の要因になっているポイントは、第一に同様のアプリを多数リリースすることによって、総額として売上を増加させている点です。個々のアプリの売上は決して大きくありませんが、2017年アメリカGoogle PlayでのNTTソルマーレの提供アプリ数は50、ボルテージは108、サイバードは47となっています。この累計売上金額がパブリッシャーランキングを押し上げている結果です。

ストーリーとキャラクターを変えて、いかに早く魅力的な新作をリリースするのか、また同じゲームでも追加シナリオで、いかにユーザーをキープするのかが成功の鍵になっていると思われます。

提供アプリ数の比較(2017年米国Google Play)

売上増の要因の第二には、各ゲームのユーザーを長期間に渡って着実にキープしている点です。というのも各パブリッシャーの売上トップ5アプリの大半は2015年から2016年にリリースされたものです。2017年のダウンロード数はゼロで、新規ユーザーがないのにも関わらず、売上に貢献するアプリが多々あります。それ程までに長期間に渡ってユーザーを維持できていることが、今回の結果に繋がっているのでしょう。

今回の日本のパブリッシャーの「女性向け恋愛ゲーム」は、米国におけるニッチ市場での成功例として非常に参考になる事例となると思われます。
是非今後の貴社の米国市場戦略のヒントとして活用していただければ幸いです。

「PRIORI DATA」とは

「PRIORI DATA」は、2013年設立、ドイツ、ベルリンに本社を持つ、スマートフォンアプリ市場分析データ会社です。Apple App Store、Google Play上でランキングされている全アプリの推定ダウンロード数、売上金額データを提供しています。 提供データ可能国数は57カ国で、ゲーム・サブカテゴリを含む全カテゴリのデータを提供可能です。スタートアップのアプリ開発会社でも購入できる価格帯で、無料トライアルも可能です。国内ではCESA監修「CESAゲーム白書2017」、モバイルコンテンツフォーラム監修「スマホ白書」、「ファミ通モバイルゲーム白書」の公式モバイルデータとして採用されています。また昨年6月からはASO(アプリストア最適化)のデータも追加され、さらに本年から日本を含めた55ヵ国でアクティブ率(DAU・MAU)、デモグラフィックデータ等が追加される予定です。 詳しくは、http://www.prioridata.net/をご覧ください。