コラム2017.10.20
米国でダウンロード数が急増中!今トレンドのスクール・コミュニティ・アプリとは?

2017年8月、米国のアプリストアに新しい動きがありました。通常ダウンロード数はそれほど多くない教育カテゴリで、突如2つのアプリが先月に比べ約10倍ものダウンロードを記録したのです。1つ目は「Remind」というアプリで、Appleでは7月が20万に対して8月は270万、Googleでは7月が12万に対して8月は140万のダウンロード数でした。
2つ目は、「Class Dojo」というアプリで、Appleでは7月が9万に対して8月は76万、Googleでは7月が10万に対して8月は90万ダウンロード数を達成しました。
ではこのユーザー数を急増させている教育アプリはどのようなものなのでしょうか?今回はこの「Remind」と「Class Dojo」をピックアップして、現在注目を浴びているスクール・コミュニティ・アプリの詳細をレポートします。
「Remind」は、教師・生徒・保護者のためのコミュニケーションツール 特に教師と保護者とのコミュニケーションに活用
1つ目の「Remind」は、教育カテゴリのアプリではありますが何かを教える学習アプリではありません。教師、生徒、保護者を対象とした、迅速かつ効果的なコミュニケーションを目的としたアプリです。 「Remind」の主な機能は、学校に関連する個人やグループに対して、リアルタイムに送れるメッセージ機能。さまざまな携帯端末に対応しており、写真やファイル等の送付も可能です。また、誰がメッセージを読み、誰が読んでいないかを確認することができます。 「Remind」がこれほど利用されている理由は、このアプリが教師と保護者とのコミュニケーションに有効活用されているからです。特に低所得の移民が多い米国では、保護者の関わりが必要でも、生徒の親が英語を理解できないなど、教師と親のコンタクトが困難な状況にあります。このようなコミュニケーション問題を解決するため、「Remind」は70ヵ国以上の言語への翻訳機能を搭載。この翻訳機能により、保護者が理解できるメッセージを、直接保護者の携帯電話に送信することを可能にしています。「Remind」によって、保護者は自分の子どもが学校で何をしているのか、何が問題になっているのか等を理解することができ、また直接教師に問い合わすことも可能になります。この利便性が、このアプリが米国で急速に普及している点です。


Remindスクリーンショット
「Class Dojo」は小学生を対象としたコミュニケーションツール。子どものスキル向上にも活用されている。
2つ目の「Class Dojo」も「Remind」同様、教師・生徒・保護者のためのコミュニケーションツールですが、「Remind」よりも低年齢層の小学生が対象。「Class Dojo」を活用することで、教師が生徒を励まし、また保護者とのコミュニケーションを深めることによって、有益なクラスルームのカルチャーを構築することができます。 具体的には、このアプリを利用することによって、教師は「一人で努力する」、「チームワークで達成する」等の生徒のスキルを上げたり、保護者と写真やビデオ等を共有することによって保護者に学校での活動を理解させたり、また直接保護者にメッセージを送ることによって相互理解を深めるようになっています。これにより保護者は家にいながら、学校での子どもの状況を把握することができます。 日本ではまだ、こういった教師・生徒・保護者のためのスクール・コミュニティ・アプリは普及していません。ただ、米国での人気と有益性を考えれば、日本でのスクール・コミュニティ・アプリのリリースと普及を期待したいと思います。


「PRIORI DATA」とは
「PRIORI DATA」は、2013年設立、ドイツ、ベルリンに本社を持つ、スマートフォンアプリ市場分析データ会社です。Apple App Store、Google Play上でランキングされている全アプリの推定ダウンロード数、売上金額データを提供しています。 提供データ可能国数は57カ国で、ゲーム・サブカテゴリを含む全カテゴリのデータを提供可能です。スタートアップのアプリ開発会社でも購入できる価格帯で、無料トライアルも可能です。国内ではCESA監修「CESAゲーム白書2016」、モバイルコンテンツフォーラム監修「スマホ白書」、「ファミ通モバイルゲーム白書」の公式モバイルデータとして採用されています。また本年6月からはASO(アプリストア最適化)のデータも追加されています。 詳しくは、http://www.prioridata.net/をご覧ください。